み…みんな、

こんな苦しい思いをして、キスしてるの?

あの、裏庭のカップルも…みんな。








「抱きしめていー?」

気付くと、ちーちゃんが私の腰に手をまわしていた。

「う…ん」

まだ、苦しいんだけど。

できれば深呼吸したい、的な。







ぎゅうっと、ちーちゃんに抱きしめられる。

ドキドキ…の前に

苦しくって、肩で息をする私。

「…良かった」

良かった?

「え?」

「結愛、やっぱ彼氏いねーよな」

「いないよ。何で?」

「さっき瀬尾さんがさぁ、結愛にオトコいるつってたから」

「は?いないよっ。ちーちゃんが好きって昨日も言ったよね…」

「いや、言われたけどさぁ…」

「瀬尾くんより、私を信じてよ」

「ん…」

何だか不服そうなちーちゃん。

…可愛いっ。こんなトコもあるんだ?

それなら、安心させてあげなきゃね。

昨日は付き合うのやめるって言われたけど、私が叩いたから逆上しただけなのかも。

ここは私から?

ちーちゃんを見上げ、私もギュッと抱きしめ返す。

「ちーちゃん、やっぱり私の彼氏になって下さいっ。…いい?」