しかもいつもムカつく話し方なクセに、今はちょっと甘えたような話し方。

そういうトコにも、また…ドキドキする。

「なー?ココ、穴場?」

ちーちゃんは、部室の壁と自分との間に私を挟む。

腰を屈め、近付くちーちゃんの顔。

うー…もぉ、ダメ。





ちーちゃんを、思いっきり突き飛ばした。

…あれ?ビクともしない。

「結愛ぁ。力でオレに勝てると思ってんの?」

「…だって」

意地悪顔のちーちゃんが、目の前にいる。

「なー、今ココでキスしたい」

「…ヤだ」

「嫌がってねぇし」

ちーちゃんは私の頬を優しく撫でる。

「ちーちゃん…ズルいよ。そんなの…私、惨めになる」

「なんで?」

「だって、私は好きだけど…ちーちゃんは私を好きじゃない…」

ドキドキから、だんだん泣きそうになってくる。





「好きに決まってんじゃん、オレも…」

え…ホントに?

そう思った途端、視界がちーちゃんで埋め尽くされた。