私はソファーから腰を上げた


もう話す事はない


「明日、出て行くね」



「っ!……美咲!」
 

グッと掴まれた手首に熱がこもる
その熱は私の心を揺さぶってくる 


掴んだ拍子に立ち上がったあなたを
振り返って見上げた


「分かってないね…」


その目は全然分かってない


「私があなたを捨てるんじゃない。あなたが…」




もう泣かない








「あなたが、私の信じる心を捨てたんだよ」