Believe【完】

覚悟を決めて
見つめたあなたは




自分の手の上にある『離婚届』を
真っ青な顔して見つめていた



「もう…いいよね」


「……なに…が…?」


「私、頑張らなくても」


「……美咲」


子供が産まれてから『ママ』
と呼んでいたあなたが
久しぶりに私の名前を呼んでくれた


「あなたに嘘を吐かせるのも、あなたの嘘を気付かない振りするのも、限界なんだ」


「………」


責めるつもりはない

そりゃ、言いたい事は山ほどある


でも、それを今言ったところで

何が変わる……?


「美咲…俺は…」


「ねえ。何を言おうとしてる?」


「………」


「その人に本気じゃないのも分かってる。別れるつもりが無い事も」


「だったら…「でも」」


私は、あなたの言葉を遮った


「本気じゃなくても、付き離せないあなたも分かってる」


どんな理由で、あの人とそうなったとしても
一度関係を持った相手を、バッサリ切り離す事なんて、あなたにはできないでしょ?


「………」


「あなたの事は、私が一番知ってるから」


だから、ダメなんだ
だから、ダメだったんだ……



「信じ抜く事って……難しいね」


「美咲…」


「信じ抜けなくてごめんね…」