「違うよ~」なんて言いながら、恋する女の子の目になっている。
いやぁ、恋してる女の子の顔。
「旬斗の好きなタイプはね、黒髪で言葉遣いがいい子だよ」
プチ情報を交えながら話す。
「ほ、他には?」
「んー・・・あとで聞いてみる!ご飯食べよ?」
「うんっ!」

「いただきまーす!」
日差しが強いということで日陰に移動し、お待ちかねのご飯タイムに入る。
あたしと歩は手作りのお弁当。男共は売店で買ったやきそばパンやなんや。
「あ、卵焼きちょーだい」
「あおちゃんウインナー」
「歩ちゃんブロッコリー貰っていい?」
「あ、はい」
こんな風にお弁当と何かを交換するのがお決まり。
「和也は卵焼きあげるから焼きそばパンひとくち。拓真はあたしのドラクエレベルアップが条件。おっけー?」
ちょっと不満そうな顔をしたが、二人は頷いた。

差し出された焼きそばパンを見てあたしはニヤリ、と笑う。
口をこれほどかという程開いて、3分の1をいただく。
「ちょ、お前食い過ぎ!」
「ふふん。うめえうめえ」

和也に軽く怒られながら食べていると、階段から足音がした。

「あれ?また誰か来んの?」
「まさか先生だったりして・・・」
「それはねーな」

ドアからちょこん、と姿を現したのは・・・
「誰?」
ふわふわした髪の毛の女の子。
「あ、」
あたしの卵焼きを食べていた頼が見覚えがあるらしい。
「何?彼女?」
「・・・いや、さっき告って来た」
「はぁ?」
頼に告ったらしい女の子はこっちへ歩いてきて、お辞儀をした。
そして一言。
「あたしも一緒にご飯食べていいですか?」
満面の笑みで彼女はそう言った。