「こいつは・・・」
いかれてる。そう誰もが思っただろう。
誰も振り返らねぇよ。というか自分で言うなよ・・・。
「さっき二、三人とすれ違ったけど・・・誰も振り返んなかったよ?」
クッキーを口にする拓真。
こいつは正論を突いてくる。

「・・・そ、そいつらには見る目がなかったってことだよ!」
慌ててそんなことを言うけれど、ちょっとおかしいとしか思えない。

「っていうか個人的に好きじゃないって、結構なショックなんだけど・・・」
「僕は働かなくたってお金あるも~ん」
「お前の方がナルシストじゃねぇの?なぁ?」

「・・・とりあえずお前らはオナ5だから。
じゃ、あたし帰るわ~」

と言って、そそくさと部屋から出て行ってしまった。