「だってうちら田舎者だもん!」

「東京なんて初めて行くよ俺」

「僕は・・・電化製品とかは東京で買うって決めてるから・・・」

またキャッキャと騒ぎ始める3人。

「拓真ーちょっとー」

日程表を見ながら拓真を呼ぶと
のろのろと歩いてきて近くの一人がけソファーに座った。

「修学旅行いくら持っていくの?」

「んー」

と言いながら人差し指と中指を立てる。
いわゆる、ピースサイン。

「へぇ、お前にしては少ないじゃん」

「桁が違うよ」

そう言われ考えてみる俺。

「・・・20万!?」

声が大きいよ、と言いながら笑う拓真。
笑うと八重歯が出るんだよなー、なんて

「だってフィギュア欲しいし
蒼ちゃんになんか買ってあげたいし」

それでも20万って多すぎだろ・・・
・・・あ、いいこと思いついた

「拓真、その金俺が・・・」

「蒼ちゃんが預かってくれるって」

チッ
そこからちょいと5万ばかり拝借しようと思ったのに・・・

「犯罪だよそれ」

「え?」