17ぱれっと、

「・・・蒼以ちょっと来い」

修学旅行の前日、俺たちは拓真の家に集まった。
拓真っつーのは俺の友達の一人。
そいつの家って馬鹿でかくて近所では有名なんだけど・・・。

って言っている場合ではなくて。
マッサージチェアに座る俺の元へ歩み寄ってくるこのチビ。

「これ、なんで全部ひらがななの?」

持っていたプリントを渡すと「あ~」と言って笑う。

「めんどくさかったんだもん」

あまりにも素直すぎる答えが返ってくる。

「しかも途中から雑すぎ。
醤油だかなんだか知らないけどシミつきすぎ」

妙にぐっしゃぐっしゃのプリント。

「だって頼が急に紙渡すから!
あたしは計画とかそういうのいらないの!
本能のままに生きるの!野生の勘で生きるの!それで・・・」

「分かったからあっち行け、貧乳」

ぺちゃぱい、と付け足す俺。

「な・・・!貧乳のどこが悪い!
肩こりなんかとは、無縁だからね!」

「お前はちっちゃいおっぱいだから、ちっぱいと名づける」

「意味わかんねーんだよ、うっせぇんだよ、犯罪者!」

「犯罪者?秀才と言ってくれるかなちっぱい」