「分かった。じゃあ明日からよろしくね」
「うんっ」
拓真のことを送り迎えする車が来たみたいで、あたしたちは降りていく。
下駄箱で上靴を脱いでいると、和也が言った。
「一日一万って、アリかよ」
少し高い場所にある靴箱に靴を取ってくれるのは和也の役目。
ありがと、と言いながらもあたしは言う。
「拓真の家だったら大丈夫だって!」
そう言って、学校を後にした。

「金色、金色、きんいろ・・・ない。」
探していたマグカップには、七色しかない。
その中に入っているのは緑、青、ピンク、黒、紫、黄色、オレンジ。

「拓真は緑。旬斗は黄色。あたしは青。和也は紫。頼は黒」
「歩ちゃんは?」
「歩はなんか、オレンジ色って感じ」
かごの中に、マグカップを六つ入れる。
「じゃあオッケーな」
と、かごをレジに持っていく。
「・・あ、ちょっと待って」
一個、手に取るのを忘れていた。
「何?ピンクって誰」
「姫菜ちゃんだよ、あの子一緒にご飯食べるって約束したじゃん」
それは残りひとつの、ピンクのマグカップ。
「あの子は修旅来られないべ」
「でも。いいの」
かごに入れて、レジへと持っていく。
その間拓真は退屈そうにゲームをやっていた。