「「は!?」」
声が重なって、顔を見合わせる。
「ちょっと頼、話が違うじゃん」
あっけらかんと言った頼にこう言う。
だけど何も言わない頼。
「和也もなんか言ってよ」
「だって頼がそーしろって言うんだもん。なー拓真?」
クッキーを食べ終えたのか、足を組みながら音楽を聴いている。
「・・・聞いてねーよ」
「拓真、最近忍たま乱太郎好きなの」
「聞いてねーよ」

「頼、あたし無理だよ」
「何が」
やっと口を開いたかと思えば、強い口調で一言言った。
「何で旬斗なの?」
「責任取れって事だよ」
「何の責任?」
「・・・そもそもお前も悪いんだよ、旬斗が告ったのに返事しないっていうのはなしだろ」
それはそうだけど・・・
「じゃあ今ここで旬斗に返事出せばいいんでしょ?」
「もう手遅れ」
それだけ言うと、頼は電話をし始めた。
ベンチを見ると旬斗が座っている。
和也と拓真はイヤホンを分け合って音楽を聴き始めた。

深く深呼吸をして、旬斗の座るベンチにあたしも座る。
「旬斗はどう思う?」
「え?」
「頼が言った事、いいと思う?だめだと思う?」
そう聞けば旬斗はまた黙り込む。
こういうのは優柔不断っていうのかな。
「蒼以は?蒼以はどう思ってんの」
「・・・うちは別にいいんだよ、どっちでも。ただもしうちと旬斗が付き合ったとしてね?今みたいにはしゃいだり出来なくなるのが嫌なだけで」
頼があたしの隣に座って・・・、それからの記憶は曖昧になっている。