一瞬の間が空き、あたしたちは顔を見合わせる。
「別にいいよ!・・・ね、頼?」
頼を見ると明らかに不機嫌顔。
黙々とパンを食べ続けているけど・・・。
「俺はいいよ!な、和也?」
旬斗が言う。
「何で俺に振るんだよ」
「いや、あは、あははははは・・」
旬斗の不自然な笑いに歩がすかさず口を開く。
「旬斗、まじでうるさい」

「じゃあ失礼します」
女の子は頼の横に座り、ニコニコと笑っている。
睫毛長くて唇つやつやでなんかお姫様みたい。
「あの、お名前は?」
箸を止め、彼女に聞く。
「佐藤姫菜です、皆さんより1個下の1年生です」
ひ、姫菜・・・!
容姿に合った名前だ、すごすぎる。
1個下なのに落ち着いてるな~。
「可愛い名前だね~!」
「っていうかお前こいつらの事知ってんの?」
不機嫌な顔を崩さずに、頼が聞く。
「いえ、そんなには・・・」

「じゃあさ!自己紹介しよ!自己紹介」
拍手拍手~☆、と一人で手を叩くあたし。
「ほいほい、じゃあ蒼以行け~」
このテンションに乗っているのは旬斗だけだ。

「じゃああたしから!松風蒼以、4月5日生まれの17才!身長152センチのO型。今はフリーでーす!そんで・・・こいつ、早瀬拓真とは幼なじみ」
無理矢理、隣に居た拓真の腕を引っ張る。
「松風さん、よろしくお願いします」
礼儀良くお辞儀する彼女に、あたしも同じ様に返して見せた。