「ダメ……夕斗君……わたし、このままだったら夕斗君を好きになっちゃうよ」

藤沢は少しだけ、抵抗した。



「いいよ。好きになっても」


「でも…でも……怖いの私。私……絶対どこかで京介と重ねてしまう」


「いいよ別に。千鶴が俺を感じてくれるまで、兄貴と重ねてもいい」


「ダメだよ……夕斗君の気持ち、台無しにしちゃうかもしれないんだよ?」


「……そんときはまた、千鶴にアタックして、絶対俺に惚れさせる」


「……夕……斗君」



泣く藤沢の体を俺は、ギュッとさらに強く抱きしめる。


そして藤沢は、それに応えるかのように、抱きしめ返す。




これが藤沢……千鶴の、答えだって思っていいんだよな。