「夕斗は?好きな人……いるの?」


「……お前、何言って……」


「いるの?!……いるなら私、諦めるよ」


さっきまで見れてた藤沢の顔が見れない。

美佳は知ってか知らずか、挑発な発言。

俺を、試しているのか。

俺に……俺にどうしろって。

しばし、沈黙が流れて……沈黙を破ったのは。


「質問、いいかな?」

隼人だ。


「何隼人?今真剣な話ししてるんだよ?邪魔しないで!」

美佳は隼人にそう言った。


「いや、俺も真剣に質問したいんだけど……これって告白タイムなの?」


「はぁ?お前まで何言ってんだ」


「俺は、美佳が好きだ」


隼人の気持ちは前々から知っていたけど、この状況で普通に言える隼人に驚いた。

美佳はもっとだ。


「な、何いってるのよ!冗談でしょ?!今はそんな話し……」


「だから、真剣だって。まぁ、美佳が他の男と付き合うなら俺は諦める」


「ちょっと待てよお前ら、さっきから何勝手に話し進めてんだよ!」


藤沢は今どんな顔してるんだ?

怖くて見れない。


「あ、あの……」


そう思っていたら藤沢が呟く。


「私、お邪魔じゃないかなって思うんですけど……」


「邪魔じゃないよ。ここにいて」


美佳はすかさず言った。


「隼人、隼人の気持ちはびっくりだったけど、私は夕斗が好きなの。ごめんなさい」


美佳は、あえてか?冷静に隼人の告白を断る。


「ん。わかった」


お前もそれでいいのかよ!なんて、突っ込んでみる。


「さぁ夕斗、答えて」


「い、いや……俺は」


何なんだよこの状況。

告白っていうシチュエーションでもないだろ。


そしてふと、昨日の隼人の話を思い出す。