夕斗へ
元気にしているか?
お前がこの手紙を読んでいるということは、俺はこの世にはいないんだな。
俺は教師になって3年になる。
教師っていうのは、大変な仕事でもあるけど、とてもやりがいのある仕事でもあるんだ。
毎日の生徒たちの成長と、夢を追いかける生徒たちの後押し。
それは、俺の胸を熱くしてくれる。
とにかく、教師というのはいいもんだ。
あと夕斗、お前に話したいことがある。
実は今、俺には大切な人がいる。
教え子の「藤沢千鶴」という子だ。
すごく優しくて、いつも俺に笑顔をくれる。
お前にこういう事頼むのもあれなんだが…もし俺に何かあれば、その子の友達になって、その子をささえてやってほしい。
自分勝手なのはわかってる。
けど、お前にしか頼めないんだ。
お前は、優しい奴だから。
こんな自分勝手な兄を許してくれ。
最後に、お前も夢をまだ探しきれていないなら、まず自分がやりたいことをひとまず探してみろ。
夢探しはそこからでも遅くはない。
神崎 京介



