そんな2人が特別な関係になるきっかけが、高校2年になる始業式だった。
『どうしよう!遅刻遅刻!もう門閉まっちゃってるかも!』
案の定、門は閉まっており千鶴は遅刻。
『あ~あ』
『君、2年生だね?』
『…うわぁよりによって…』
遅刻を発見したのは、当時『柏の鬼』と言われていた生徒指導の先生。
『2年にもなって、遅刻はどういうことだね?今日は、大事な始業式なんだぞ?』
『すみません』
『まったく、寝坊だろ?どうせ。最近の若いものは……』
(あー、始まっちゃったよ。)
柏の鬼、生徒指導の先生の説教は長いと有名。
逃げられない千鶴に、声をかけた人がいた。
『あ!ちょっと、君ー!』
『……え?』
慌てて千鶴と生徒指導の先生のところへ駆け寄る先生。
『ん?神崎先生どうしたんですか?』
そう、神崎京介。
(わぁ、神崎先生だ……)
こんな近くで好きな先生が見れるなんて、ましてや話しかけられたのも高校1年の入学式以来。
千鶴は、恥ずかしそうに下を向いた。



