今から約1年前、神崎京介と藤沢千鶴は出逢った。 高校入学式当日、正門で新入生に笑顔で挨拶をする神崎京介が目に入った。 『おはよう。新入生だよね?これから、よろしくね』 神崎先生は千鶴に笑いかけ、そう言った。 その千鶴に向けられた笑顔は、彼女にとって愛しいものとなった。 千鶴の、一目惚れだった。 幾度となく時間は過ぎ、何も話せないまま、何も関わりをもてないまま、ずっと影から神崎先生を見ているだけ…そんな日々を過ごして1年、千鶴は高校2年になった。