藤沢と別れ、俺は家路に着く。

なんか、今日はよく眠れそうだ。


そろそろ、隼人や親父……そして美佳にも話しておかないとな。

兄貴と藤沢の事。


「ただいま」

「おかえり」

出迎えたのは隼人。

「なんだよ?」

何か言いたそうな顔だ。


「美佳、3時間くらい待ってるぞ」

「え……」


美佳にはウソをついたまま。

絶対に怒ってるよな。


「じゃ、俺はコンビニ行って来るから。あと、親父はいないから」

「は?おい隼人!ちょっと待てって!」

――――バタン!


「なんだよ、あいつ」


俺は、渋々リビングに向かった。



「おかえり、夕斗」

「あ…ああ、ただいま」


美佳は、ソファーに腰掛けたまま俺に言った。


「留守番は?しなくてよくなったの?」

「まぁ、な」

「どこ行ってたの?」

「それは……」


言うなら、今このタイミング。


「私は別に夕斗の彼女じゃないから、こんな事言うの変だけど……夕斗が心配なの」

「え?心配って……俺、お前になにか心配かけるような事、したのか?」

「藤沢、千鶴」


名前を聞いた瞬間。

心臓がうるさくなる。


「彼女、いったい何?どうして、夕斗が一緒にいるの?」

「お前……見てたのか?」