あれから、授業には全く集中できない。

これは……チャンスなのか?

聞けって事なのか。


こんなにも偶然な出会いは、もはや必然にも思えてくる。


こんな事ばかり考えてて、あっという間に昼休み。


昼休み、藤沢は教室には居ない。
どこ、行ったんだ。


「ねぇ、夕斗?」


俺の様子に気づき、美佳が話しかけてくる。


「なに?」

「朝から様子、おかしいよ?昨日の子が気になるの?」

「は?」

「転校生の藤沢さんよ!」


美佳に図星をつかれ、なんでか必死に抵抗。


「は?何言ってんだよ。別にそんなんじゃねーよ」

「じゃ、何なのよ?私には相談できないこと?」


相談とか、そういう類のものじゃない気がする。


「俺、購買行ってパン買って来る」


俺は美佳から逃げるように教室を出た。


「ちょっと!夕斗!」



今は、俺もよく分からないんだ。