学校に行くのもちょっと面倒だったけど、行かないと父さんと美佳が黙ってないからな。


俺は、授業中の教室に忍び込んだ。



――ガラ。

静かにドアを開け、静かに自分の席へ移動する。


「神崎!」

――ビクッ!

「は、はい……」


っち、バレたか。


「神崎!遅刻の理由、話は聞いているから早く席に着きなさい」

「は、はい」


話?

何だよ、遅刻の理由って。


俺は首を傾げ、自分の席に向かおうとして前を向き直した。

だけど俺は、目の前にした光景にカバンを落とす。


「え……」


兄貴、やっぱ俺達……必然的な出会いなのか。



そのには、あの人がいた。