俺は家に着いて制服を着替え直した後、兄貴の部屋へ向かった。

兄貴の部屋は、兄貴が大学出てからもそのままにしてあった。


兄貴のベッドに座り、兄貴の部屋を眺め、独り言を呟く。



「兄貴、もし生きてたら、俺の質問に答えてくれるのか?」



別にブラコンじゃないけど、俺は兄貴の事は本当に尊敬してたし、自慢の兄貴だった。

だけど、俺の知らない兄貴が居て、それに対して悲しさも覚えた。

自殺するような兄貴。

弱い兄貴もいたんだな。

そしてあの女は一体誰なんだ?

なぁ、兄貴……。




兄貴の墓で目撃して、あの川で出合い。

口にした神崎先生という名前。




兄貴、俺らの出合いは偶然か……必然か……。