「ん?…夕斗?」


そこへ、たまたま通りかかった美佳が俺たちに気づいていた。



それと同時に、俺の指に何かが引っかかった。


俺はそれを持ち上げて、俺は確かめた。
赤い、石。
ペンダント!



「あ…あった…あった!」



彼女は、信じられないって顔で俺に近づいてきた。


「ほら」


俺は、彼女にペンダントを渡した。

彼女はペンダントを手に取ると、そのまましゃがみこんでしまった。



「お、おい…大丈夫か?」



そして、そのペンダントを強く握り締め、信じられないことを口にした。



「せんせい。神崎……せんせい。ごめんな……さい」



神崎……せんせい?
って、やっぱり……あの時兄貴のお墓で見た……あの。





俺は何も聞けなかった。


聞いてはいけない気がしたから。


それと同時に、俺を呼ぶ声が聞こえた。