……のに。
岸君は、なぜか。
ちょっと、ほっとしたようにため息をつくと……ほほ笑んで言った。
「もちろん。
遊び、だよ。
お散歩の時間だってさ」
「ん、だとぅ!
ざけんじゃねぇ!」
スカしたような岸君の言葉が、よほど気に食わなかったらしい。
不良グループの一人が、そこらに捨ててあった缶を蹴りつけ、がしっと、岸君の胸倉をつかんだ。
殴られる!
と。
あたしも。そして、多分クラスのいじめグループも、その場にいた人は思ったに違いない。
けれども。
次の不良のセリフに、全員、耳を疑った。
「なんっ、で、オレらのチーム、天竜組の副総長の座を断ったヤツが!
沈黙の狼の幹部の上着なんざ着てんだ、コラ!!」
……は?
えっ……っと……?
なんですってぇぇぇっ!!!



