か、髪型が、違う……!




 目を覆うほどの長い前髪は、整髪料で整えられ、岸君の顔は全部出てた。

 確かに、これなら、先生には劣るけど。

 イケメンって言っていいくらいキレイだ。


 服も、部外者のあたしは、どんな名前か良く判らない。

 いかにも、族が好きそうな、だぶだぶの深紅のズボンをはいてる。

 上は、ただのTシャツだったけど。

 あたしの上着を着ればバッチリ、だ。

 これなら、誰が見ても問題なく族の関係者、で通りそう。

「……化けたね~~」

 驚いて、思わず言ったあたしに。

 岸君は、照れたように笑った。

「ちょっと、頑張って来た。
 なにしろ、加月さんが、かかってるし」

「……え?、あたし?」

「だって、上手く行ったら。
 正式に。
 君に、オレと付き合って、って言えるでしょう?」

「き……岸君っ!」

 言っていることが、恥ずかしいよ~~

 しかも、岸君は、大真面目だし。

 あたしの方も、普段と違う彼にどきどきだし……!

 これでもう一度、好きとか言われたら、ヤバいかもしれない。

 あたし、岸君を好きになっちゃうかもしれないよ?

 いいの……?