俺様先生と秘密の授業【完全版】

 一番最悪なのは、毎日の給食の時間で。

 見かねた担任の先生が『加月さんを入れてあげなさい』と言ってくれるまで。

 誰も仲良しグループに入れてくれずに。

 何度も何度も、教室でみんなに見られながら、たった一人でご飯を食べたりしてた時は。

 ここからいなくなってしまいたい、とか。

 本当に死んじゃいたいな、って思うくらい嫌だった。

 だからと言って、兄貴や、お父さんに相談すれば、事態はますます悪化するのは、判ってたから、何も言えなかったし。

 家からだいぶ離れた。

 そして、兄貴の友達の早瀬倉先生が、保健室の先生として赴任している以外。

 あたしのコトを誰も知らない高校に入って、ようやく、いじめも無視もなくなった。

 そして、お友達も少しは出来て、良かったけど。

 今でも、みんなで一緒にお弁当を教室で食べるのは苦手だ。

 お友達と一緒に、外で食べるか。

 そのコが都合の悪い時は、保健室で、早瀬倉先生と食べてる。

 他の、教室ではご飯を食べづらいコ達と一緒に。
 
 そう。

 入学式のとき。

 何度もウチに上がり込んでた早瀬倉先生が保健室にいた時は、驚いたけど。

 これも、あたしを心配した兄貴の気づかいなのは、判ってる。

 なにしろ。

 この高校をすごく勧めてくれたのは、兄貴だから。