俺様先生と秘密の授業【完全版】

「そんなに、オレらとカラみたいなら。
 わざわざ、そんなケガなんかしないでさあ、言ってくれれば、いくらでも相手してやるって。
 加月、美人だしさぁ」

「あたしは別に、カラみたくも、遊びたくもないけどっ……!」

「ダメ。
 オレら、すでにやる気満々だもんね。
 これから、保健室に行って、センセ追い出してさ。
 ベッドで遊ばねぇ?
 ひとりづつでも、全員いっぺんに、でも好きな方選ばせてやるよ……!」

 じ……冗談じゃないわよっ!

 早瀬倉先生を追い出してベッドで、なんて!

 絶対、みんなで腕相撲大会をする、ってわけじゃ無いでしょうっ!

 とんでもない提案に、あたしは、思わず涙目になった。

 あたし、ファーストキスもまだなのよっ!

 初体験なのよ!

 一番始めのはじめて、は。

 好きな彼と、ふたりきりでするつもりなのよ!

 ま、まあ。

 今のところ、まだそんなことをしようなんてヤツとは巡り会えてないけれど。

 それが、この。

 弱いものイジメをする集団の誰か、だなんて思えなかった。

 だから、力一杯お断りしたのに。

 今まで、岸君を取り囲んでたヒトビトが。

 あたしに向かって迫って来た。

 しかも。

 変な空気をまとったままで。