俺様先生と秘密の授業【完全版】

 岸君を囲んでるヒトビトも、それを判ってて、特に隠そうともせず……

 ……岸君に、かまう。

 ぶっちゃけ、イジメの現場だ。

 背は高いけど、猫背で弱々しい雰囲気と。

 この。

「どうして、君たちは、私を放っておいてくれないのよ……?」

 みたいな。

 あやしいお姉ぇ言葉がマズいらしい。

 高校生には珍しく。

 半年前に、どこかの街から転校して来たらしい岸君は。

 学年があがり。

 新二年のクラスメートに『乙女ちゃん』と呼ばれてからかわれて居る時は、平和だったけど。

 良くない連中に目をつけられて以来、災難なヒビを送ってる。

 昨日だって、ほら。

 ぞうきんをしぼった後の水が、たっぷり入っているバケツに。

 何度も頭を突っ込まれて、教室で溺れかけてたし。

 ……ちょっと、シャレにならないよね。

 岸君だって、かまわれる要素、あるし。

 イヤな時は、はっきり『イヤ』って言わないから、よけいにやられるんだろうけど。

 それでも。

 あたし。

 集団で一人をいじめるのって、キライ。



 だ~~いっ、キライ!