俺様先生と秘密の授業【完全版】

 自分の涙でかすむ向こうに、直斗がいた。

 心が詰まって、苦しいのかもしれない。

 いつも、自信たっぷりにオトナである事を主張して。

 時々俺様な

 直斗の印象が、変わる。

 自信なさげに目を伏せる直斗に、あたしは、目を合わせた。

「……莫迦ね、そんなの。
 心なんて、とっくに、直斗のモノなのに……」

 そこまでは、普通の声で言えたのに、あとは小さく小声になった。

 とうとう、あたしも。

 直斗の目が見つめていられなくて、目を伏せて言った。




「あたしも、好き」




 そう言ったとたんだった。


 あたしは、直斗に抱きしめられた。


 服の上から。

 だけども、折れそうなくらい、力強く。