「ま、スマートに勝てるとは思ってなかったさ。
でも、愛莉の事は誰にも譲れねぇから……」
言って直斗は、ふ、と目を細めた。
「どんなにみっともなくても、あがいても、俺は、もう絶対あきらめないって決めたんだ。
一度は、相手が俊介なら……なんて。
身を引こうと思ったけれど、だめだった。
天竜に、愛莉が刺される寸前、心が壊れそうだった。
そして……」
どき。
直斗の視線が、切なく翳(かげ)り、あたしを見つめた。
「岸が、愛莉に代わって刺されたとき。
俺は、確かに岸に嫉妬してた。
なんで、愛莉の代わりに刺されたのが俺じゃなかったんだろう、って、な」
どき……どき……
強い、そして、少しさびしい直斗の視線に。
あたしの心臓が、跳ねあがる。
大好きな直斗に見つめられて、顔がほてる。
そんなあたしの状態を見通しているのか、どうか。
直斗は、自分から微妙な位置に離れて居るあたしをそっと引き寄せた。
でも、愛莉の事は誰にも譲れねぇから……」
言って直斗は、ふ、と目を細めた。
「どんなにみっともなくても、あがいても、俺は、もう絶対あきらめないって決めたんだ。
一度は、相手が俊介なら……なんて。
身を引こうと思ったけれど、だめだった。
天竜に、愛莉が刺される寸前、心が壊れそうだった。
そして……」
どき。
直斗の視線が、切なく翳(かげ)り、あたしを見つめた。
「岸が、愛莉に代わって刺されたとき。
俺は、確かに岸に嫉妬してた。
なんで、愛莉の代わりに刺されたのが俺じゃなかったんだろう、って、な」
どき……どき……
強い、そして、少しさびしい直斗の視線に。
あたしの心臓が、跳ねあがる。
大好きな直斗に見つめられて、顔がほてる。
そんなあたしの状態を見通しているのか、どうか。
直斗は、自分から微妙な位置に離れて居るあたしをそっと引き寄せた。



