思いがけないほど元気になった岸君にホッとして。
しばらく、吉住さんと一緒に三人で話しているうちに。
直斗と伊井田さんもやって来て、にぎやかになった。
バイク同好会の全員が、みんな揃って。
岸君が治ったら、どこに走りに行こうか、なんて楽しげな話で笑いさざめく中。
あたしは、心から思った。
……こんな毎日が、これからも続くと良いな……
って。
みんなと一緒に居る、しあわせ。
この心地よさを誰も、奪わないで……
それは、初めて自分の居る場所を見つけたわたしにとって、心からの願いだった。
「……愛莉?
もしかして、泣いてるか?」
「……へ?」
……どうも、それで感傷的になっちゃったみたい。
なんとなく、あたしの目がうるるる。
と滲むのを見つけたらしい。
直斗が小声で聞いて来た。



