俺様先生と秘密の授業【完全版】

「岸! 良くなって、部屋変わったんだって……!?
 俺! ベッドが片付いていたから、てっきりお前が死んだのかと、心配して……!」

 と、そこまで言って、彼はこの部屋の様子に、気がついた。

「なんだ、この部屋は!
 岸の趣味か? すげえなぁ」

 そう、呆れたように、叫んだヒトは。

 最近、あたし達のクラスメートになったばかりの、吉住さんで。

 あたしは、思わず岸君と、顔を見合わせて、笑った。

「きっと、未来って。
 信じてれば、望みは叶うよね?」

「……オレも、そんな気分になって来た」

 ただ、一人、事情の判ってない吉住さんが「何だ?」なんて聞いてるけど。

 それは、当分。

「「ひみつ」」

 だもん、ね?

 思わず、声のそろったあたしたちに、を見比べた挙句。

「教えろよ~~
 気になるから~~」

 って岸君に、言ってる吉住さんの声を聞きながら、あたし。

 元気になった岸君と吉住さんが。

 仲良く、ツーリングに出かけている姿を思い浮かべて、笑った。