「え……?」
思いもよらない、岸君の言葉に、あたしは、聞き返した。
「岸君を……待ってちゃダメなの……?」
「……うん」
あたしの言葉に、岸君は、寂しそうに頷いた。
「病気が治るように、オレ、全力で頑張るけれど。
正直な所、どれだけの時間がかかるか判らないし……もしかしたら、治らないかもしれないのに。
何年も、ずっと待っててなんて、言えないよ。
それに何よりも……愛莉さん……」
岸君は、そこまで言って、あたしを見た。
「……本当は、オレより好きな男(ひと)いるでしょう……?」
どき。
……直斗の顔が、浮かんで、消える。
だけど。
まさか、そんな。
命を賭けて、あたしを庇ってくれた『彼氏』の目の前で言えるワケも無く。
「な、何言ってんのよ!
あたし、岸君と付き合うって、宣言したじゃない!」
なんて、慌てて言ったあたしに、岸君が、優しく、でも寂しそうに微笑んだ。
「責めているんじゃないんだ。
本当は、最初から、判ってたんだ。
愛莉さんが、早瀬倉のこと、好きなこと。
オレが、愛莉さんを、引き止めちゃいけないこと……」
思いもよらない、岸君の言葉に、あたしは、聞き返した。
「岸君を……待ってちゃダメなの……?」
「……うん」
あたしの言葉に、岸君は、寂しそうに頷いた。
「病気が治るように、オレ、全力で頑張るけれど。
正直な所、どれだけの時間がかかるか判らないし……もしかしたら、治らないかもしれないのに。
何年も、ずっと待っててなんて、言えないよ。
それに何よりも……愛莉さん……」
岸君は、そこまで言って、あたしを見た。
「……本当は、オレより好きな男(ひと)いるでしょう……?」
どき。
……直斗の顔が、浮かんで、消える。
だけど。
まさか、そんな。
命を賭けて、あたしを庇ってくれた『彼氏』の目の前で言えるワケも無く。
「な、何言ってんのよ!
あたし、岸君と付き合うって、宣言したじゃない!」
なんて、慌てて言ったあたしに、岸君が、優しく、でも寂しそうに微笑んだ。
「責めているんじゃないんだ。
本当は、最初から、判ってたんだ。
愛莉さんが、早瀬倉のこと、好きなこと。
オレが、愛莉さんを、引き止めちゃいけないこと……」



