俺様先生と秘密の授業【完全版】

「……岸君」
 
「……だけど、ね?
 昨日の夜は……皆が、オレに祈ってくれた声が……聞こえた……よ」

 岸君の目から涙が、こぼれて落ちて。

 それを隠すように、岸君は、両手で自分の顔を覆った。
 



「沢山の『生きて』ってココロの声、オレ、確かに、聞いたんだ……!」




 そか……あの、生きるか、死ぬかのギリギリの時間。

 岸君に届いてたんだ。

 皆の、ココロからの願いが……!

「あんなふうに、真剣に祈られちゃ、オレ。
 この世から簡単に居なくなるわけには、いかないじゃないか。
 これから先も、自分の命を粗末にするわけには、いかないじゃないか。
 ……だから、オレ。
 ちゃんと、頑張ることにした」

 言って、岸君は、泣きながら笑った。