俺様先生と秘密の授業【完全版】

「だから、さ。
 前にも言ったと思うけど、イヤなことは、イヤって言おうよ……?」

 これじゃ、どう見ても岸君。

 東屋さんに、遊ばれているような気がする。

 しかも、この量じゃ……天竜さんも、飾り付け、手伝った……んだろうな。

 岸君は、ともかく。

 天竜さんに熊のぬいぐるみは……想像すると、かなり笑える。

 東屋さんって、最強!

 思わず頬が緩んだあたしに、岸君は、にこっと笑った。

「ところが……その……私。
 こういう部屋や、服は、あんまりキライじゃなくて」

「……へ?」

「……むしろ、好き?」

 そ、そりゃ……どうも。

 じ、じゃあ……東屋さん。

 岸君のために、頑張ったんだなぁ……って、改めて部屋を見回したとき。

 岸君は、言った。
 
「……なんだか、色々、巻き込んじゃって、ごめんね?
 愛莉さんは、どこもケガ、ない?」

「巻き込まれたのは……あたしじゃなくて、岸君の方かもしれないし。
 それに……岸君が、かばってくれたから、平気、だよ?
 助けてくれて、ありがとう」

 岸君は、本当に命を賭けて、あたしを守ってくれた。

 思わず下がった頭に、岸君は、ううんってクビを振った。