俺様先生と秘密の授業【完全版】

 兄貴の、浮かべたその表情(かお)は。

 いつもの自信に満ちた感じじゃなく。

 ともすると、不安げで、子供のような感じにも、見えた。

 だけども、あたしに向かって言ってくれた言葉には。

 ちゃんとあたしを、守ってくれている。

 優しく強い、オトナの匂いがした。

 あたしの大好きな。

 いつもの『お兄ちゃん』だ!

 気がつくと、あたしは、兄貴の懐に飛び込んで、泣いていた。

 今まで怖かった、いろんなことが。

 全部終わって、やっと安心出来たんだ。