俺様先生と秘密の授業【完全版】

 天竜組の縁続きだし、見捨てるつもりなの? って。

 泣きそうに切羽詰まった東屋さんの声に、吉住さんは落ち着いて言った。

「心配じゃないワケないだろ?
 岸は、俺のクラスメートだし、部活だって一緒なんだから」

 しかも、愛莉さんをかばって傷ついたのに、誰が見捨てるんだよ!

 と、唇を噛みしめる吉住さんに、東屋さんが言った。

「疾風のクラスメートって!
 あんた見かけより年下!?
 ……って、今更だけど、車の免許!!
 取れんの18からよ!?
 まさか無免!?」

「……本当に、今更だな。
 車の免許くらい持ってるし、俺は、岸を病院に送る為に全力を注いでる。
 狼と天竜組が露払いをしているから、ノンストップで走ってるだろ?」

 ほら、カーブだ!

 みんな気をつけて……!

 という、言葉を東屋さんだけが聞いてなくて。

 彼女はシートベルトをしているはずなのに、頭を窓にぶつけてしまった。

「狼~~!」

「俺の名前は、加月だ。
 それに、お前、実はパニクってるだろ?
 そんなに岸のことが大事か?
 お前の男は、天竜じやなかったのか?」

「わたしと疾風は、そんな仲じゃないよ!」