俺様先生と秘密の授業【完全版】

 さっきまで器械に繋がれていたはずの岸君が。
 
 天竜さんのナイフと、あたしの間に、岸君が滑り込み……そのまま。

 カラダを張って、盾になってくれたんだ……

 あたしが、目を開けるのとほぼ同時に、岸君は力尽き。

 あたしをゆるく抱きしめるかのように倒れ込む。

 その、血の気の失った、青ざめた顔と。

 あたしに、全体重を預けているはずなのに、びっくりするほど軽いカラダに驚いた。

 見れば、肩に近い背中に、天竜さんのナイフが突き刺さり。

 とめどなく流れて落ちる血の量にパニックになった。

「岸君……岸君っ!」

「岸を揺するんじゃねぇ!
 ゆっくり、地面に下ろすんだ!!」

 今の出来事で、ようやく手を緩めた天竜組員の腕を振り切って、直斗が叫ぶ。

 そして。

「岸の莫迦野郎っ……器械から強制離脱して来やがったのか……?」

 と、自分の着ている白衣を切り裂き、岸君の出血を止めながら、呆然とつぶやく直斗の声が、耳に入った。

 き……強制離脱って確か……っ!

 血液洗浄をしていた器械から、自分の血を沢山残して外れる方法じゃなかったっけ……?

 なのに、この肩の出血じゃ……!




 ……岸君の命が危ない。