ガシッ!!
「く……うっ!」
兄貴に、顔を蹴り上げられた、天竜さんは。
低く呻いて、吹き飛ばされた。
そして、兄貴は、そのまま。
周り中にいる天竜組員を一変にばばばっと蹴りつけ威嚇する。
その、兄貴の蹴りの速さと鋭さに、天竜組員が怯んだその隙に。
倒れているあたしを素早く抱きかかえた。
そして、叫ぶ。
「狼たちよ!!」
兄貴の大声に、狼たちが、沈黙を破った。
おお!!!!!!!
と。
その場にいた全ての狼たちが、拳を高々と上げて、応えた。
「まだだ!
僕は、まだ、負けない!」
迫り来る狼たちの前で。
素早く起き上がった、天竜さんが叫んだ。
「一日早まったとはいえ、僕は、君たちと戦うつもりでいたんです!
何も、用意してないわけじゃない!!
誠! 切れ……!」
「はい!」
と、天竜さんに応えると。
東屋さんは、ウッド・デッキから張っている綱を一本切った。
そのとたん!
ドゴガッ!!!
そんな、ものすごい音がして、次の瞬間。
天竜組事務所の庭を埋め尽くしていた狼たちが、消えた。



