もし、これが。
映画や、物語だったら、スイッチを切れば、本を閉じれば、それで終わり、のはずなのに。
現実は、そうは行かない。
この天竜組の人が、もし、刃を少しでも、動かしたなら。
……もしかしたら、死んじゃう!?
やだ……っ!
それは、やだよぅ。
あたし、まだ。
やりたいこと、沢山あるのに、死んじゃうなんて、絶対、やだ……!
まだ知らないお菓子の新商品も、食べたいし。
無事に帰って、伊井田さんとおしゃべりもするんだもんっ!
他にも、他にも……!
やりたいことは、いっぱいあるのに……!
死んじゃうなんて、絶対、やだよ……!
捕まっては、いるものの。
今まで、あたしを支えてくれたひとたちが。
すぐそばにいて、あたしを見ててくれたから良かったけれど。
そうじゃなかったら、絶対、あたし。
その場に座り込んで、泣きだしてた。
兄貴や、お父さんのことを考えると。
みっともないことだけは、出来ないのに……!
……それくらい、怖かった。



