俺様先生と秘密の授業【完全版】

 あたしの必死な言葉に。

 兄貴は、しょうがないなぁ、と肩をすくめて言った。

「判った。
 学校の制服で目立つのイヤなら、僕のジャケットと、メットを貸してあげる。
 上着は、裾が長いから、ミニスカの愛莉ちゃんの制服、とりあえず隠れるし。
 メットはフルフェイスだから、車に乗り込むくらいならバレない……かな?」

 う~~ん。

 それにしたって、めちゃくちゃ怪しいんだけど……!

 このままファミレスにず~~っといるわけには行かないし。

 もたもたしていると、心配した兄貴に、即、車に連れていかれそうだったから。

 ま、仕方がないなぁって。

 兄貴にジャケットを貸して貰おうと、手を伸ばした、その時。

 新たな声が割って入った。

「待ってください」

 少し低めのその声は。

 兄貴の側近の、吉住さんだった。

「……何?」

 ただ、何気なく、上着を貸そうとして、変な所から横やりが入り。

 兄貴は一気に不機嫌になったけれども。

 吉住さんは、迫力に負けずに言った。