俺様先生と秘密の授業【完全版】

「子供のころは、ライバルだと思ってた、俊介は、オトナになったとたん。
 呆れるほど大きな組織の幹部に、何の苦もなく就任し。
 結局、遊びで走っていた君は、あっさり族を引退したかと思うと。
 知らん顔して表の世界に、収まりました」

「……」

「僕は、僕と同郷で、同じ痛みを分かち合える疾風を引き取ることになりました。
 しかし、彼が生きるには、莫大な金がかります。
 そして、僕が、僕らしく生きるためには、闇社会でのゆるぎない地位と『ハク』って言うものがほしい。
 しかも、俊介とは、四年前から因縁がある。
 ……これが、僕の意地を通しても、水野小路会と戦う理由です。
 それに、まだ、負けたわけじゃない」

 言って、天竜さんは、ぞっとするようなほほ笑みをあたしに向けた。

「そうそう。
 オトナになって、僕はもうひとつ学んだことがありました。
 ……ケンカって、ね。
 特に、自分の進退や……もしかすると。
 命がかかるかもしれない争いには、ルールもモラルもありません。
 要は、勝てばいいんです。勝てば。
 ……どんな手を使っても、ね?」