俺様先生と秘密の授業【完全版】

 もしかして、直斗が持っている、兄貴から貰ったって言う、あの、ライター?

 何だか、怪しげだったけど、発信器でも入ってたのかな?

 しかも、二人同時に教えてくれたってって……直斗も、吉住さんも、知ってた?

 思わず睨むと、これまた二人で、にやり、と笑う。

 ……そか。二人とも、助けが来るの、知ってたのね?

 だから、直斗と、最初は真剣な顔してた吉住さんも、ライター見て気がついた途端。

 のんびり火傷キライ~~ごっこしてして遊んでたんだ。


 もう!

 そういう、大事なこと、今度はあたしにも、教えてよねっ!


 事情が判ってほっとしたあたしと反対に。

 素早く、完璧に引かれた狼の包囲網に、東屋さんは、一気に青ざめ、天竜さんも唇を噛んだ。

「奇襲や、追尾は音を出さない沈黙の狼の得意技だ。
 どんなに隠しても、狼はこんな大きな施設なんてすぐ見つけてしまう。
 例え、応援を呼んでも。
 天竜と東屋の頭二人が、ここにいる以上、無駄だろ?
 もう、諦めて投降した方が、いい」

 そんな直斗の言葉に、天竜さんは、ぎり、とあたしを睨んだ。

「諦める?
 これくらいで、諦めるつもりなら、最初から、事は起こしませんよ。
 まだ、僕の手の内には、最強の切り札(カード)が残っているじゃないですか。
 これから、長い付き合いになるかもしれません。
 よろしく、しっかり働いてくださいね?
 ……でないと、本当に殺すよ?
 水野小路の、妹君」