俺様先生と秘密の授業【完全版】

「現在、関東地方の裏社会に存在(ある)のは、なにも。
 水野小路会と、その配下の沈黙の狼だけじゃないですよ?
 少し動くだけでも、一々彼らの顔色をうかがう生活にも、飽きました。
 水野小路会は、大きいですが、その分、派閥同士の争いがあって弱点も多いです。
 もし、やれる自信があるのなら。
 僕が、覇を狙ってみてもいい」

 言って、天竜さんは、長い銀髪を鬱陶しそうに、かきあげた。

「もちろん、いきなり水野小路会は潰せません。
 ですが……そろそろ、髪を切って、さっぱりしたい所ですし。
 ダメ犬集団と。
 父親の七光でふんぞり返ってる、俊介坊っちゃんの息の根ぐらいは、止めることができるでしょう?
 ……その女さえ、いれば……!」

「……!」

 ぎらり、と睨んだ紅い視線は、正確にあたしを射抜く。

 その、強さに、思わず震えながら、あたしは、思った。

 そか……その、髪の長さは、兄貴だけじゃなく、天竜さんも、また因縁の長さなんだって。

 ……アルビノって言うのかな?

 銀髪に紅い目のヒトを見るのは、初めてだったのに。

 そして、明らかに『敵』なのに。

 なんとなく親近感があるような気がしたのは……兄貴に、どことなく似てるからだ。

 それは、髪形の事ではなく。


 ……その、想いが。