俺様先生と秘密の授業【完全版】

 それなのに。

 兄貴は、お気楽に

「さあ、行こうか?」

 なんて言うと。

 自分で連れて来たヒト達と一緒に。

 すたすたと、お店から出ていこうとするし!

 誰の目も気ならないのかな?

 ……っていうか!

「まって!
 まってよ!
 この制服を来たまま、お店の外出たら、先生たちに、あたしの正体がばれちゃうでしょうが!」

 狼たちが学校の隣のファミレスに居座っているから。

 先生達まだ警戒しているし。

 そーじゃなくても、でっかい車が来りゃ。

 誰が、乗るんだろ~って、気になるはずだよね?

 しかも梢城高等学園の制服着てれば、特に、ウチの生徒の誰だろう?

 ……って、ねっ!

 ありえるから~~

「別に、正体バレても良くない?
 沈黙の狼だったら、族の中でも有名だから。
 学校にいる不良、とかヤンキーとかっていうヒトビトから、一目置かれるよ?」

「……だから、ソレがイヤだっって言ってんじゃない!」