俺様先生と秘密の授業【完全版】

「そこの男(ヒト)たち。
 キーを戻して、ゆっくり振り向いて」

 その声は。

 こんな所……ヤクザとか、暴走族とかって言うには、あまりに場違いな、女の子の声だった。

 だけども、妙に逆らえない芯の強さに、直斗が……吉住さんまでもが、従った。

 直斗は、がちゃん、と。

 キーボードに大げさな音を立てたものの、言われたとおり、ゆっくりと振りかえり……、

 あたしも、声の主を、見た。

 するとそこには。

 さっき見かけた、ひらひらの服を着た女の子が。

 真っ赤な顔をして、扉の前に立っていた。

 そのコの隣には、縦横の大きな吉住さんくらいの男子が立ち。

 後ろには、他の天竜組員が、控えてる。

 この、大きなヒトが、総長の東屋 誠さんなのかな?

 あたしは、そう思ったけれど。

 天竜組の前に立って話したのは、女の子の方だった。

「疾風……!
 まさか、あなたが、このヒト達を逃がすの?」

 女の子の言葉に、岸君は、短くても、断固として、言った。

「うん、そうだよ、誠」

 え……っ?

 この女の子が『誠』さん本人……?

 まさか、天竜組の総長が女の子だったなんて……!