俺様先生と秘密の授業【完全版】

「色々やり方は、あるみたいだが……
 岸の場合は、腹に手術して『シャント』って言う血管の道を作った。
 それを頼りに全身の全身の血液を洗ってる。
 もし、今器械が動いている時に壊れたら……すぐにでも、死んでしまうかもしれない、病気だ」


 ウソ。

 岸君……本当は、そんな大変なことを抱えていたなんて……

「お腹に手術って……もしかして、岸君が猫背なのも?」

「手術のあとは、だいぶ個人差がある。
 でも、岸の場合は、シャントが気になるから姿勢が悪いんだろう……仕方ないんだ」

「じゃ、イジメられたり、ケンカして、その『シャント』ってのが壊れたら……!?」

「透析が出来なくて、大変なことになるな。
 血液中の老廃物が溜まったままでも、命は危ないから」

 ……なんて……こと!

 岸君は、今まで、そんな危険を抱えて、生活していたんだ……

『知らなかった』

 では、済まないほど、過酷な現実が、岸君を追いかけて来ていた。

 それは早瀬倉先生でさえ。

 知ったのは、昨日。

 殴られた岸君を保健室に運んだ時で……

 それまで岸君は、人知れず、病気と戦っていたんだ。