俺様先生と秘密の授業【完全版】

 自分の置かれてる状況をすっかり、忘れ。

 今までに見たことのない光景に、驚いた。

 叫び出しそうになる声を、直斗に塞がれ……横を見れば。

 伊井田さんも、吉住さんに口を塞がれている。

「……静かに。
 今、岸は……透析を受けてるんだ」

 静かな直斗の声に、あたしはクビを傾げる。

 ……トウセキ……?

 何よそれ!?

 あたし……そんなの、初めて聞いたよ!?

 あたしの声無き叫びに、気がついたらしい。

 直斗は、静かに……でも、手短に説明してくれた。

「岸は、生まれつき。
 老廃物を身体の外に出す作業をする内臓に、問題を抱えてたんだ。
 この機械は、その内臓の代わりをする『器械』だ」

 ……そう言えば。

 身体が弱く、病気がちで……

 田舎の実家に居る時は、女の子の格好で病気をやり過ごしてた、って話……聞いてた。

 迷信だけど……って。

 軽く言ってたから、女装癖のこと以外聞き逃してたけど……

 本当は、そんな簡単なモノじゃなく……!

「……命に関わるような……重い病気?」

 と。

 手をずらして聞いたら……直斗は頷いて……しまった。