俺様先生と秘密の授業【完全版】

 戸惑うあたしを知らずに、その子は叫ぶように言った。

「……何の用意もしてない場所で、疾風が暮らしていけるワケが無いじゃないの……っ!」

 ……何の話をしているんだろう……?

 事情を知らないあたしには、さっぱり良く判らない話だったけれど……

 言っている東屋さんの目には、うっすらと涙が浮かび……

 こっち側でも、直斗が、そっと目を伏せて、ささやいた。

「……岸は、きっと二階にいる」

「じゃあ、岸君を助けに行かなくちゃ……!」

 ここは、何階だ?

 二階ってどこよ、とささやきかわしている、あたしたちのコトを見て、直斗は、ぽつり、とつぶやいた。

「もしかしたら、岸は、諦めないといけないかもしれない……」

 なんて、お莫迦なコトを!

 あたしは、みんなでここから出るんだから、ね?

 岸君がどーしてもここに残るって言わない限り・

 あたしはちゃんと連れて帰るんだから……!