俺様先生と秘密の授業【完全版】

「……え?
 あたし、直斗から、ライターなんて借りてないよ?」

 それに、持ってたとしても、ワゴン車に乗ってすぐ、持ち物検査され。

 ケイタイとか、ナイフとかは完全没収されたのにあるわけがない。

 そう、答えたのに、直斗はあたしを後ろに向かせると。

 制服のスカートのウェスト部分とブラウスの隙間を、後ろ手で探り……

 フックつきのライターを取り出した。

「……い、いつの間にそんな所に、ライターなんて」

 驚くあたしに、直斗が笑う。

 最近、兄貴から貰った本物のスパイが持ち歩いていたライターで。

 天竜組が来たとき、何かの役に立つかとこっそりあたしのスカートにつけてみたんだそうだ。

 ……でも、見た目、フックがついただけの、ただの百円ライターで、何の役に立つのかすごく謎。

 しかも、本当はつけたことをあたしに言わなくちゃ、意味ないじゃんっ!

 たまたま、同じ部屋だから良かったけれど、別々だったら、あたし、気がつかないかもしれないのにっ!

 あたしは、頬を膨らませたけれど、直斗は、ご機嫌だった。