出て行ったはずの、天竜組のヒトビトが、足音の数を倍にして戻って来た。
そして、直斗を捕らえて、また殴る。
がしっ!
べきべきべき!
直斗が、殴り飛ばされ、た所は、テーブルの上だったみたいだ。
ものすごい破壊音が響き、天竜組が怒鳴った。
「教師が『鳥』だと?
ざけんじゃねぇ!!
じゃ、やっぱり、この近くに、水野小路の妹が居るんじゃねぇか!」
「……まさか。
俺が引退して、どれだけ経っていると……」
呻くような、直斗の声に、天竜組の声が、叫ぶ。
「四年経っても、水野小路は、まだクソ犬の象徴だろ!?
探せ!
絶対、ここに居るぞ!!」
ジャッ!!
乱暴に、ベッド室へのカーテンが開かれ、光が差した。
片端しからベッドの上掛けが布団が、ひっくり返されて。
あっという間に吉住さんと、伊井田さんが見つかった。
上掛けが、ひきはがされた瞬間。
中にヒトが居ることは、判っていたものの。
まさか、学校のベッドで男女が抱き合っている、とは思わなかったらしい。
「何だ、お前ら!
昼間から!」
と、呆れた声の天竜組に、吉住さんはうそぶいた。



