「カッキーって、本当にお子様ねっ!
 そんな相手なら、一回ぐらい抱かせてあげちゃえば、イイのに~~」


 うぁ。

 伊井田さんの爆弾発言に、あたしはこっそり頭を抱えた。

 ……いくら、他に相談する相手がいなかったって言ったって。

 話す相手を間違えたかな……?



 食堂での事件が起きた次の日の朝は、バイク同好会の初日だった。

 同好会、とか言っても。

 まだ実は校長先生他、いろんなところからの正式な承認はまだ正式に降りてなかったから、

 見切り発車しているような感じだったし。

 今日は、土曜日だったから、わざわざ学校に出なくても良かったんだけども。

 結局、また。

 帰って来なかった兄貴と、家で鉢合わせするのもイヤで、学校に来ちゃったんだ。

 同好会では、実際にバイクに乗る男三人は、とても楽しそうに話をしている。

 最後まで、眉間にしわを寄せていた吉住さんだって。

 あたしのウチに、すこし早めにお迎えに来た上。

 早瀬倉先生の私物の、大量なバイク雑誌をかきわけながら、エンジンの種類がどーとか。

 なんか難しい話をしているんだもん。

 同好会、会員にはなっているけど、バイクに乗らないあたしは。

 これまた意外だったけれど。

 真面目に学校に来た伊井田さんに。

 盛り上がっているヒトビトを放って、散歩に出かけよう、と誘われたんだ。